築70年の古民家を購入した理由と、物件選びで絶対に外せないポイント

2022年、私たちは築70年の古民家を購入し、
自分たちで改修する「DIYリノベーション」をスタートさせました。
傾いた柱、低い梁、基礎のない造り、昔ながらの「田の字」の間取り…
「なぜわざわざそんな物件を買うのか」と思われるかもしれませんが、
私たちにとって古民家はとっても魅力的だと思っています。
今回は、私たちがなぜこの家を選んだのか、
そして物件選びで絶対に外せないポイントをお伝えします。
自己紹介&古民家購入の経緯

【名前】宮本 啓示
「遊暮働学(ゆうぼどうがく)」の自給自足的ライフスタイルを模索し、2018年に阿蘇へ移住。結婚を機に築70年の古民家を購入し、DIYでリノベーションをスタートさせる。古民家由来の生活様式を実践中。薪ストーブ施工販売、煙突掃除人。古民家鑑定士1級。
➤古民家に興味を持ったきっかけ
家は「人生で一番の買い物」と言われるぐらい大きな出費ですよね。
しかもそれを35年ローンとかを組んで、毎月支払いに追われなくちゃいけない。
僕はローンを組む勇気も、そんな風な人生も想像できませんでした。
そんな時、
「中古の空き家を安く買って、自分たちでリノベーションすれば安く手に入るんじゃないか?」
と思い、
「どうせ買うなら古民家を今風におしゃれにアレンジしたい!」
そんな理想と現実の理想しか見えていないような形で、古民家を調べるようになりました。
➤田舎で暮らす=価値観の変化
田舎に住むということは、不便なことも当然出てきますし、
都会だとお金で解決できることも、田舎だと自分で何とかしなくちゃいけないこともある。
色んな出来事に出くわすたびに、「これって自分でできないかな?」と考える癖がつきました。
➤DIY経験
仕事が住宅や建築に携わるものなので、多少の基礎知識やスキルはありましたが、
大工工事、電気工事、水道設備工事など、専門的なスキルはそこまでありませんでした。
電動工具や、インパクトドライバーを使えます、といった程度です。
古民家購入までの経緯

➤物件探し
最終的に半年くらい探して、知人伝いに情報をもらい、購入しました。
それまでに他に見た物件は3件くらいで、立地が微妙だったり、日当たりの具合、
隣地との距離感、そもそもの建物の具合など、
条件が揃う物件がなかなか見つかりませんでした。
とある朝、起きると私たち夫婦それぞれに知人から連絡が。
全く同じ物件の情報でした。
「これは何かのご縁かも」と思い、すぐ内見を依頼しました。
➤出会った瞬間の印象
平屋で探していたので、まず印象は「デカい!」。
そして外観は微妙に古くもなく新しくもない。
でも中は囲炉裏もあってガッツリ古民家。
「手を入れればいい感じにできるのでは?」と感じました。

➤購入の決め手(価格、立地、構造、雰囲気)
- 価格:阿蘇地域は移住希望者がとても多く、空き家情報が出ればすぐに埋まるような場所です。そんな中にあって、物件の価格も「中身以上では…?」と思うこともしばしば。そんな中で予算の中でも比較的安かったのが大きいです。(詳細価格はDMで聞いてくださいね。)
- 立地:阿蘇エリアでも人気とそうでないエリアがあり、ここは後者の方。でも昔から人が住んでいて歴史がある場所なので、住む理由があるのだろうと思っていたら、集落の上に湧水が。車通りも多くなく、夜も静かです。
- 構造:外見は40年前に改修されていて古民家っぽくありませんが、中は柱や梁がしっかり見える昔ながらの構造。
- 雰囲気:農家住宅といわれる、田の字型の間取り(ふすまを取れば一間にでき、冠婚葬祭時に人が集える)。母屋の横には納屋があり、むしろ納屋のほうが大きい(笑)
➤不安だったこと(耐震、雨漏りなど)
仕事上、雨漏りにかかわることもあるので、そこはしっかり確認しました。
屋根は40年前に葺き替えられており、そのおかげか雨漏りの形跡はありませんでした。
ほかに不安な点は、特になかったです。
「とにかく、やってやるぞ!」みたいな感じ(笑)
古民家選びで外せないポイント
ではあらすじを挙げたところで、実際古民家を購入して、身をもって実感している、
購入時に外せないポイントをご紹介します。
1.見た目より大事!な構造面(柱・梁・基礎)
古民家は柱や梁が見える工法がほとんどなので、目視で状況の確認ができます。
特に見ておきたいのは柱、梁、そして床下。
床下はもし腐食やシロアリ被害があった場合は、とにかく改修のスケールが大きくなり、
コストもかさむ恐れがあります。
2.雨漏りやシロアリ被害の有無
下も大事ですが、上(屋根)も大事。
もし雨漏りしていると水が屋内に侵入し、腐食や劣化の原因になります。
雨漏りは家の寿命を縮める原因になり、シロアリ被害のリスクも高まります。
3.水回りの位置と劣化具合
お風呂やキッチン、トイレなどの水回りも必ずチェックが必要です。
漏水していないか、痕跡がないか見ましょう。
大概の場合、水回りが劣化していることが多いです。
4.日当たり・風通し
古民家は屋根が深く、家の中は薄暗く感じることが多いです。
それは夏を涼しく過ごすための工夫であり、現代の外の光をたくさん取り入れる流れとは真逆です。
どのくらいの日当たり、日照時間があるか確認しましょう。
また湿気が多いこともあるので、風通しの良い場所が好ましいです。
5.周辺環境(雪・交通など)
山間部とかだと、積雪で冬場はノーマルタイヤでは生活できなかったりすることもあります。
また、もし車がない場合の交通手段として、公共交通機関がどのくらい機能しているかチェックすることも必要です。
まとめ+次回予告
今回は僕の事例を踏まえて古民家選びのポイントについてお伝えしました。
次回は、「古民家購入前のチェックリスト」を公開します!
「こんな話が聞きたい」等ありましたら、気軽にお問い合わせください。
ちなみに、僕が古民家について勉強した本も載せておきます。
めっちゃマニアックです(笑)
それでは!