瀬戸内国際芸術祭開幕!元スタッフがオススメする、香川県豊島の「時間を無駄にしない」アート作品の回り方
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KGです。
前回は直島の行くべきアートスポットと、注意点をお伝えしましたが、
今回は、豊島(てしま)編です!
実はこの豊島、私KGが一時期暮らしていた場所でもあります。
2017年の1年間、
豊島でアート作品の管理運営をしたり、豊島美術館の前の棚田でお米や野菜を作ったりしていました。
当時のインタビュー記事もありますので、良ければご覧くださいませ。
というわけで今回は、
「元島民が語る、豊島の絶対行くべき作品と、豊島観光の注意点」
をお伝えします!
豊島美術館
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何と言っても絶対の1位は豊島美術館でしょう。
アートは内藤礼、建築は西沢立衛。
豊島美術館の「母型」は、一日を通して、いたるところから水が湧き出す「泉」です。
ふたつの開口部からの光や風、鳥の声、時には雨や雪や虫たちとも連なり、響き合い、たえず無限の表情を鑑賞者に伝えます。
静かに空間に身を置き、自然との融和を感じたとき、私たちは地上の生の喜びを感じることでしょう。
豊島美術館 | アート・建築をみる | ベネッセアートサイト直島 (benesse-artsite.jp)
”美術館”と言えば絵画の展示や、何か”モノ”が展示されているイメージですが、
豊島美術館にはそう言ったものはありません。
あるのは水、小さなお皿や球の彫刻、そして鳥や風など、自然の音のみ。
真っ白な空間の中で、誕生していく水を発見し、
この世界の美しさと生きる喜びを感じられる空間です。
国内外問わずリピーターも多く、人々をひきつけてやまない作品です。
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また、美術館の前に広がる棚田の景色も壮観です。
海を臨みながらの棚田の景観は日本でも珍しく、撮影スポットもあるので、ぜひ棚田の中も散策してみてください。
【注意!】
豊島美術館はオンライン予約制です。事前予約を忘れずに!
美術館の中は音が響きやすく、話声さえも大きく響きますので、静かな鑑賞を。
作品自体が繊細で、うっかり踏んでしまうことも。足もと注意で!
心臓音のアーカイブ
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個人的に一番お気に入りの、クリスチャン・ボルタンスキーによる作品。
世界中の人々の心臓音を収集・アーカイブしていくプロジェクトです。
”ハートルーム”と呼ばれる屋内の作品は、ランダムで保存されている心臓音が流され、
鼓動に呼応して暗闇の中で電球が光ります。
一人一人、音の大きさやリズムが違いが感じられて面白いです。
そして注目すべきは、自分の心臓音を録音して残せること!
自分の心臓音も作品の一部として保存され、
設置されたパソコンでいつでも自分の心臓音を検索して聴くことができるのです。
中々自分の心臓の音を聴く機会ってないですが、
自分の生きている証として永遠にそこに残ると考えると、すごく”生きてる”気分になります。
【注意!】
予約は必要ありませんが、心臓音の登録には別途料金がかかります(1,500円程度)。
島内でも端っこにあるので、時間には余裕をもって!
ささやきの森
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「心臓音のアーカイブ」と同じく、クリスチャン・ボルタンスキーによる作品。
島内の山、壇山(だんやま)を登って行った先に作品があります。
つり下がった風鈴が、風に揺れて”チリンチリン”と音を鳴らします。
そして風鈴の下には、個人の名前が書かれた短冊が。
「心臓音のアーカイブ」では”自分の”心臓音を残すことができますが、
「ささやきの森」では”自分の大切な人”の名前を登録することができます。
”誰かが思う大切な人”の名前が書かれた短冊が、
風に揺れて風鈴の音とともに揺らぐこの森にいると、
「生きるとは」「死ぬとは」をおのずと考えさせられます。
作品の方向が、自分に向いているか、大切な人に向いているかでイメージも変わります。
【注意!】
鑑賞料は無料ですが、名前の登録には別途料金がかかります(5、600円くらい)。
登録場所はその場ではなく、「心臓音のアーカイブ」でできるので、時間には余裕をもって!
歩いても行けますが、結構山を登るので、自転車やバイクが便利です。
豊島を楽しむために絶対に抑えておくべきポイント
1.船のチケットは早めに!
直島に比べると、豊島は圧倒的に便が少ないです。
豊島への船は
・宇野(岡山)から
・高松から
・土庄(小豆島)
が主要なアクセスになります。
そして夕方の豊島を出る最終便は18:40と早め。
限られた便数に対して乗船人数がかなり多くなるため、
毎回整理券を配り、整理券を取るための行列ができることも。
”積み残される”ことは日常茶飯事なので、とにかく行き帰りの船のチケットは早めに!
出航の1時間前に港に着けるといいです。
2.レンタサイクルも早めの確保を
豊島は直島よりも大きく、勾配もあるため、歩いて回るのは現実的ではありません。
そこで、周遊にはレンタサイクルがメインになりますが、
ハッキリ言って早い者勝ちです。
あらかじめ豊島のレンタサイクルを調べて、予約ができるなら予約を取りましょう。
「当日着いてから考えよう」では泣きを見ることになります。
3.夜の飲食店はほぼない
豊島に宿泊する場合、”夜ご飯どうするか問題”があります。
とにかく夜の店がないので、前もって買い込んでいくか、何とか開いている店を探すかになります。
宿泊施設としては、島の方のお宅に泊まる”民泊”で、食事を提供されているところもありますので、
こちらも事前に下調べをしておきましょう。
豊島で暮らしていた人間が最も伝えたいこと
豊島は直島に比べるとまだ入島する数は少ないですが、
近年、豊島美術館の知名度が上がってきており、観光客も多くなっています。
しかしながら船の便数は多くなく、不便な部分は残ったまま。
ここは直島も同じですが、旅の計画を前もって立てて、
早め早めの行動を心がけることが大事です。
お昼ご飯の時間帯も飲食店は混雑するので、
少し時間をずらすなど、工夫されることをおススメします。
また、歴史を調べていただくとわかりますが、豊島に展示している作品は、
「生きること」「死ぬこと」をテーマにした作品ばかりです。
これは豊島が過去に、「産業廃棄物不法投棄事件」があった島として、
海の生態系に影響が出て漁ができなくなったり、風評被害で農作物を「豊島産」として出荷できなくなったことから、
「社会的に殺された島」として存在してきたこの場所で、
「生きること」「死ぬこと」を考えるきっかけにする目的で作品が展示されています。
そういった島の歩んできた歴史を踏まえ、今ここに展示してある作品を鑑賞すると、
まったく違った完成をもって作品と対峙することになります。
直島に比べると”島らしさ”が残るこの豊島で、
作品を通して、島の人たちと交流を通して自分と向き合う人が増えることを願っています。
繰り返しになりますが、
元々そこにいた人間だからわかるのですが、
ウェブサイトにしても、ガイドブックにしても、とにかく案内がわかりにくいので、
「向こうに着いたら考えよう」では、何もできずに終わります。
今までそうやって、
・船に乗り切れずに取り残される人、
・レンタサイクルが完売で歩いて回るしかなくなった人、
・食事場所がどこもいっぱいでお菓子を買う人、
・予約制と知らず現地まで来て何も出来ず引き返す人
こんな人たちを何組も見ては、心を痛めてきました。
せっかく楽しみにしてきたにも関わらず、
不愉快な思いをして、「豊島?全然よくなかったよ」では意味がありません。
来た以上、「豊島、サイコーだったね」って言いたいじゃないですか。
だからこそ、あなたがもし「豊島に行きたい」と考えているのであれば、
早め早めの行動を、とにかくすることです。
「でも初めて行くから、どう周ったらいいかわからないよ」
という方もいると思います。
そんな方へ、旅の計画について前もって相談に乗ります。
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ご相談可能ですので、
もし直島について聞きたいことや分からないことがあれば、ご相談ください☆
あなたのアートの旅が、素敵なものになりますように☽